『ネトゲ廃人』芦崎治の感想

 ネトゲ廃人とはネットゲームに仕事や学校や家庭などを犠牲にしてまでハマりまくった人の事。本書はそういったネトゲ廃人たちへのインタビュー記事が主となっている。

 ところで、私はネットゲームにハマリかけたことがある。毎日睡眠を削ってゲームをやり続けること二週間くらい。これはまずい、キリがない、とおもってスッパリやめたので「廃人」化せずにすんだけれども、一歩間違えれば「ネトゲ廃人」になっていた可能性も十分にあったと思う。レベルが上がれば上がるほど、アイテムが蓄積されればされるほど、ゲーム内で人間関係ができればできるほど辞めづらくなる、というのはよくわかる。たった二週間だが、私は廃人になる人の気持がわかるつもりでいる。

 著者はゲームに詳しくないらしい。本文からもなんか頓珍漢なこといっておるな、と感じた点があった。ネットゲーム経験の浅い私ですらそう感じたのだからネットゲームをもうすこしやっている人からしたら「なんだそれ」と思うことはもっと多いかもしれない。インタビューをもとに構成しているけれども、Aさんはこうこうこうでこうなりました、Bさんはこうこうこうでこうなりました、Cさんは…という表面的な事実の列挙にとどまっていてツッコミが弱い。また、文章構成能力に長けているとも思えず、読ませる文章ではない。著者の分析とおもわれるものなんら見るべきものはないように思える。ネットで探せば元ネトゲ廃人本人が書いた文章がいくつも読めるが、そういったもののほうが遥かにリアリティーがあり、学ぶべきところがあるし、おもしろいとおもう。

ネトゲ廃人
ネトゲ廃人
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芦崎治
リーダーズノート
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おすすめ度の平均: 4.0
4 誰もが陥りかねない罠
3 今後のゲームの方向性が気になる。。。
5 よかったです
3 依存症 深刻なのは わかるけど
3 ネットゲームにハマって 失ったモノ 得たモノ